
ビートルズ・ブートレッグ55年目の真実
Stories 6 (ストーリーズ 6)
How did "CBM" get its start? (CBMはいかにして誕生したか?)
Stories 6₋9 セクション 9 Double Rings Of Waddell Part.2 (ワデルのダブル・リング・パート2)
Waddell Plant(2)
前セクションにおいてはワデル・プラントと1970年頃プレスされたブートレッグを紹介したが、ここではそれらとの整合性を図るために正規リリースされたレコードを3タイトル リストし、当時ワデルでプレスされたいくつかのバリエーションを紹介する。なおこのセクションをまとめるにあたり、ウェブ・サイト「Discogs」に記載されている内容を参考にさせていただいた。

まず最初に、(↑写真上)前セクションにおけるK氏の「Live'R Than You’ll Ever Be」のエピソードでも触れた Rolling Stones の 「Let It Bleed 」を取り上げたい。エピソード中には「Live'R Than You'll Ever Be」をプレスしているすぐ横でプレスされていたとあるが、そもそも「Let It Bleed 」は非常に有名な人気タイトルであり幾度となくプレスされてきた。
ここで取り上げるプレスは、「LONDON」レーベル、ナンバーは「NPS-4」、それ以外に「XZAL-9363/4 W」というプレッシング・プラントを識別できるナンバーが付いているタイプ。このナンバーの末尾にある「W」はWaddellを意味している。同じ「LONDON」レーベルで、ナンバーが「NPS-4」であっても、別プラントでのプレスではこのナンバーはついていない。
写真上段はSide A/B両面ともダブル・リングの形状となっている。マトリックスの最後にはWaddellを示す「W」が丸で囲まれ書かれている。次に写真下段のタイプはSide A/B両面とも73mmの円形ステップのみの形状となっている。しかし、ナンバーは写真上段のものと同じ「XZAL-9363/4 W」であり、やはり同様にマトリックスには丸で囲まれた「W」が認められる。つまりこれらのケース、レーベルの形状はダブル・リング・タイプと73mmの円形ステップ・タイプの2種類が確認できているが、Waddellでプレスされたことを示す、同一のナンバーが、レーベルとマトリックスに確認でき、別のプレス機を使用したと言える。

次にThe Moody Blues の「On The Threshold Of A Dream」を取り上げたい(↑写真上)。「Let It Bleed」と同じ、1969年にリリースされたアルバムである。これも「LONDON」レーベル、「DES 18025」というレコード・ナンバーが付いている。そしてWaddellでのプレスを示す「ZAL 8827/8 W」というナンバーがレーベルにプリントされ、マトリックスの末尾に「W」の文字があるが、これは丸で囲まれてはいない。そしてこのケースにおいては、写真の上段がSide Aでダブル・リングの形状、下段がSide Bで73mm円形ステップのみの形状となっている。
ここで新たにわかることは、前セクションでのGet Back To Torontoにおける(GTRO7)と(GTRO8)のような、Side Aがダブル・リングで、Side Bが73mmの円形ステップ形状という組み合わせは、ブートレッグと正規盤であることに差はなく、通常のプレスの一つであり、プレス機の上と下にスタンパーを取り付ける部分の、レーベルの形状にあらわれる機械の部品形状が、いつも同一のものではないということだろう。

さて、このセクションにおける3番目の例はMichael Parks という歌手の「Closing The Gap」(↑写真上)というアルバムである。やはり1969年リリースのレコードではあるが、レーベルは「MGM」、レコード・ナンバーは「SE 4646」で、ディスク・レーベル上には、このナンバー以外に番号らしき記載はない。写真上段はSide A/B両面共にダブル・リングの形状なのだが、マトリックスに「W」の文字は無い。しかし、写真下段はSide A/B両面73mmの円形ステップのみの形状で、マトリックスには「WC」と書かれている。「Discogs」によるとWaddellでプレスされたケースで、「W」だけではなく「WC」と書かれるケースもあるという。よってこのケースから、正規盤においてもWaddellでプレスされていたも固有のナンバーが無く、マトリックスに「W」あるいは「WC」の記載がないこともある、ということがわかる。
最後に、(↓写真下)同じMichael Parks の「Closing The Gap」であるが、ジャケットは上のものと変わりはないが、ディスク・レーベルには新たに「MGS 2060」のナンバーが加わり、直径32mmの円形ステップ形状となっている。もちろんこのような場合、Waddellではなくまったく別のプラントでのプレスされている。

このセクションでの、Waddellでプレスされたレコードの特徴を加味し、前セクションでリストしたGet Back To Torontoの特徴をまとめたい。(GTRO7)と(GTRO8)のような、Side Aがダブル・リングで、Side Bが73mmの円形ステップ形状という組み合わせでもWaddellで間違いないであろうし、(GTRO6)に関しては不明だが、それを除く(GTRO1)~(GTRO8)まですべて、73mmの円形ステップのみの形状でのプレスであり、つまりは、ほとんどのプレスがWaddellで行われた可能性が高いと言える。
Get Back To Torontoの特徴
・Rainboでラッカー盤を制作した
・ほとんどのプレスがワデルで行われた
・カバー制作はLRS内部の人物が手掛けた
・数々のコピー盤も作られが、Fakeレーベルを作ったのはCBMのみ
・レアな黒スタンプのみによるカバー盤があり、CBMはそのFake(ブート・オブ・ブート)盤を制作した