ビートルズ・ブートレッグ55年目の真実

Stories 6  (ストーリーズ 6)   

How did "CBM" get its start? (CBMはいかにして誕生したか?)

Stories 6 -6 セクション6             Some curious facts from the "S- number" 

                                                                                      (S-ナンバーから浮かび上がる意外な事実)


    前セクションにおいては、Rainboで1970~1971年頃プレスされ、マトリックスにS- で始まるナンバーをもつブートレッグをリストし、そこからおおよその制作時期を推測することもできた。

 そしてあらたに、ここでS- ナンバーのブートレッグ・タイトルを2枚リストする。奇しくもその2枚のタイトルは同じ名前である。

 まず一つは、既にlive-doorブログでもリストした「Shea The Good Old Days」(HOL017)である。このレコードのマトリックスは、  SHEA-1/2 △ S-2531/2 」となっており、オリジナル盤となったKustom Rekords盤(HOL004)(HOL005~8)よりディスク・コピーされている。S-2531というナンバーから (前セクションでの数式を参考にしていただきたいのだが) 、導かれる結果は1971年の6月ということになる。

↑写真 「Shea The Good Old Days」(HOL017)マトリックスは「SHEA-1/2 △ S-2531/2 」 1971年6月頃のプレスと推測できるので、後述する「Shea The Good Old Days」(SHGO1)から1年後の制作であったことになる。この事実からDittolinoはSHGO1)から「Shea The Good Old Days」というタイトルを取ったことがわかる。SHGO1)はLast Live Show(SHEA01)が元になっているという情報をDittolinoは得ていたのである。それで Shea The Good Old Days(HOL17)の同内容盤にも Last Live Show (HOL013/14)とタイトルしたのである。但し、そこには(HOL17)の元になったLive At Shea(HOL04)は「シェア・スタジアム・ライブ」であるという「大いなる勘違い」があった。(詳細はこちら SHGO2

 このS-2531/2のプレートが利用され、SHEA-1/2のプレートとの組み合わせにより4通りのタイプでプレスされた。詳しくは下記サイトを参照してほしい。

→ STORIES 2-3       Dittolinoの台頭  

                                           SHEA THE GOOD OLD DAYS / LAST LIVE SHOW(HOLLYWOOD BOWL LIVE / Phase 3)


   そして、もうひとつの方は、Shea The Good Old Days (詳細→SHGO1)である。

 マトリックスは   1234-A   S-2315  /  1234-B   S-2316 となっている。

 S- ナンバーから考えると、前セクションにリストした、Led Zeppelin /Live On Blueberry Hill (Matrix)S-2321 / S-2322 / S-2323 / S-2324 よりわずかに先なので1970年9月頃の制作と推察されるのだが、実は謎の多いレコードでもある。

   今でこそ、このブートレッグは、さほどレアではないが、1985年発行の海賊盤事典にはタイトルのみ掲載されているものの、写真は掲載されておらず、間違ったデータ記載がなされていたため不明な点が多かった。

 前述のDittolino がプレスした「Shea The Good Old Days」(HOL017)とは、同じタイトルゆえ混同されがちだが、そもそも先に制作されたこのブートレッグのタイトルは(正しく)タイトル通りの「シェア・スタジアム・ライブ」のブートレッグであったのである。

 1965年8月15日のシェア・スタジアムでのライブを収録してあり、1970年6月頃に出回った「Dawn Of Our Innocense」 (DAWN01) 、そして東海岸でプレスされた「Last Live Show」(SHEA01 )に次いで3番目となるシェア・スタジアムでのライブを収録したブートレッグということになる。

 この謎めいたブートレッグの特徴は、まずBeatlesというアーティスト・クレジットはどこにも無い、フロントのみカラーでプリントされたデラックス・カバーだが、このフロント・カバーもBeatlesと無関係である。そして、タイトルの「Shea The Good Old days」はブートレッグのタイトルとしては珍しい Old English Text のフォントでプリントされている。タイトルの下部には「contra-band music」という社名がプリントされている。レッド地のレーベルには黒字の筆記体でタイトルが羅列され、レコード番号もプリントされている。

↑写真 Shea The Good Old Days  (Matrix)  1234-A  S-2315 / 1234-B  S-2316 (→SHGO1

Beatlesというクレジットは無くフロント・カバーもBeatlesと無関係、タイトルの「Shea The Good Old days」のタイトルは Old English Text のフォント。タイトルの下部には「contra-band music」という社名がプリントされている。レッド地のレーベルには黒字の筆記体でタイトルが羅列され、レコード番号もプリントされている。

←写真 (→SHGO2小さなステッカーが貼られたタイプもある。 ステッカーには「BEATLES!LIVE」というタイトル、曲目とレコード番号もプリントされている。おそらく「Shea The Good Old days」というタイトルだけからは内容がわからないので、後からこのようなステッカーが貼ったのであろう。 

 Contra Band Music(CBM)といえば東海岸で活動していた初期のメジャー・ブートレッガーのひとつである。となると、CBMは1970年9月頃西海岸で活動していたのだろうか?

 レーベルを見ると、後にCBMが「L.S Bumble bee」や「Have You Heard The Word?」といったタイトルのブートレッグでも、そうしたように、タイトル羅列のプリントが見て取れる。

 しかし、1970年9月にCBMが西海岸で活動していたとは考えずらい。世界中のありとあらゆるBeatlesのブートレッグに関する情報において、CBMの活動は1972年を起点とし、東海岸のブートレッガーと位置づけしているからだ。

 ところが、一方でCBMの活動やその始まりに関し、明確にエビデンスを示している情報発信元が無いことも事実である。

「Contra Band」とは禁制品・密輸品の意味がある。カバーにそう印刷したということは、「違法の海賊盤です」と明言しているとも受け取れ、挑戦的ですらある。

 このブートレッガーがCBMと関係しているのか、それとも無関係なのか、まだエビデンス不足だが、この段階で言えることは、少なくとも1970年9月時点で、西海岸にContra Band Musicとクレジットしたブートレッガーがいたことである。

 どうしても、CBMとの関係性を勘ぐってしまいがちではあるが、実はもう一つ、別タイトルのブートレッグとの共通点があることを忘れてはならない。

 それは「Shea The Good Old days」より、約半年前にプレスされた「Get Back to Toronto」(GTRO1)である。どちらもRainboプラントでラッカー盤が製作されたブートレッグであることは既に判明しているが、それだけではない部分においても類似していることがある。   

 最初のプレスであるGTRO1)より、しばらくして、「Get Back to Toronto」のカバーは一新された。それが「Get Back to Toronto」の代名詞的な、モニュメントをカバー写真 としたプレス(GTRO2/GTRO3である。

←写真 Get Back To Toronto

ポピュラーなモニュメントのカバー写真。

いつ頃のプレスかは不明だが、少なくとも1970年3月の1stプレス(GTRO1)の後であり、1970年中であったと思われる。

左:カラー・カバー GTRO2

右:ブルー・カバー  (GTRO3

 このカバー写真がモニュメントの「Get Back to Toronto「Shea The Good Old days」は、どちらもBeatlesというアーティスト表記がカバーに無い、そして無関係なカバー・デザインとなっていることである。

 モニュメント・カバー盤のGTRO2/GTRO3)プレスは、当然1stプレス(GTRO1)より後であると考えられるが、ひょっとすると「Shea The Good Old days」(SHGO1)とGTRO2/GTRO3)の制作時期は同時期であった可能性がある。

では仮に同時期だったとすると、それはどういう意味があるのか....?


実はこれら2枚のカバー・ジャケットの制作は、同一人物によるものなのである・・・・・



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