
ビートルズ・ブートレッグ55年目の真実
Stories 6 (ストーリーズ 6)
How did "CBM" get its start? (CBMはいかにして誕生したか?)
Stories 6₋9 セクション 9 Double Rings Of Waddell (ワデルのダブル・リング)
遅ればせながらセクション1より何度も登場している「Get Back To Toronto」についてその詳細を解説していきたいと思う。数回にわたり、プレスが行われカバーも変わっている。まずカバーをもとに分類していきたい。なお()内のGBT001から007はあくまでこのウェブサイトでの通し番号である。
GBT 001から007までこれらのマトリクスはすべて同一で以下の通り
IPF-1-A ST S-2142 / IPF-1-B S-2143

まず最初に出回ったGBT001はスタンプカバー盤で、ホワイトカバーに「Get Back To Toronto」と「High-Quality Stereo」の文字がブルースタンプされている。5月にロンドンで出回るコピー盤はおそらくこのGBT001からコピーしたため「High-Quality Stereo」の文字がカバーにプリントされたと推測できる。次にGBT002と003のセクション5で明らかにしたLRSの既成カバーを利用し、そこにタイトルやピースマーク、曲目などをブラックプリントしたもの。002ではそのままカラー写真を流用しているが003では青と黒の2色刷りとなった。どちらもインナースリーブにTempo Recordsのものを流用している。

メモ 事実
1971年6月号音楽専科に写真がある、WCF初版盤がモニュメントからコピーされたスリック、Wizardoの2020年インタビューの中の話では1971年1月にカリフォルニア州タスティン(Tustin)のレコードショップでGet Back To Torontoを購入したという。それは西海岸であることを考慮するとGTRO2/3であったと思われる。
GBT001は1970年2月から3月頃に作られ、GBT002と003は1970年のそれ以降に制作されたと考えられるがこれら、001から003までのすべて同一の73mm直径の円形ステップがあるタイプである。


次にGBT004から007であるが、詳細な時期や順番などはわからない。GBT004は黒い小さな文字で「Get Back To Toronto The Beatles」とスタンプされている。レーベルの形状はSide Aが直径 mmと mmの2つの円形ステップよりなっている。しかし、Side BではGBT001から003までと同じ直径73mmの円形ステップである。おそらくこの中でこのGBT004が最もレアであろう。GBT005から007までは同じ仕様のスタンプで「The Beatles Get Back To Toronto Stereo」とスタンプされているが、ブルー、レッド、グリーンの3種類が確認されている。GBT005は004と同様のSide Aが2重の円形でSide Bが73mm円形タイプだった。GBT006では直径は73mmなのだげステップではなく深く幅のある溝の円形だった。またGBT007はSidA/B両方とも73mm円形ステップタイプでGBT001から003のものと同一だった。少なくともGBT004,005,006はGBT001から003までのプレスとは時期を異にしているのは確かであろう。
しかし実は、以上のことからGet Back To Torontoがプレスされたプラントは察しが付く。
GBT004に認められた、円形ステップが2つあるタイプは通称ダブルリングと呼ばれ、カリフォルニア州バーバンクにあるH.V. ワデル(Waddell)社というレコードレス工場のプレスにある非常に特徴的なものだ。 H.V. ワデル社は1953年に操業を開始し、80 年代半ばに操業を終了しているが、その間MGMやLONDONなどメジャーなレーベルもプレスしてきている。このワデル社の名前はTMOQ創設時の話が書かれているK氏のブログの中でも出てきていた。Rolling Stones初のブートレッグ「LiveR Than You'll Ever Be」の最初のプレスはこのワデルのプラントで行ったものだった。またBEATLESの「Renasissance Minstrels Vol.1 & 2」のいきさつに触れ、DONOVANの「Reedy River」とともに、これらのプレスもワデルのプラントで行ったとも綴っていたのだった。
「LiveR Than You'll Ever Be」のプレスに関しては驚くようなあるエピソードが語られている。K氏らがワデルのプラントに行ったとき、同じ工場内のすぐ隣で「Let It Bleed」のプレスを行っていたことを知らされたというのだ。
事実、当時LONDONレーベルのレコードは多数、このプラントでプレスされていて 60年代から70年代のRolling Stonesのレコードもワデル社でプレスされていたことが確認されている。
「LiveR Than You'll Ever Be」のファースト・プレスはスタンプ・カバー盤でレッド地の
ディスク・レーベルには「LURCH RECORDS」「THE GREATEST GROUP ON EARTH」とプリントされ、73mmの円形ステップがある形状をしている。
Discogsのウェブ・サイトによるとワデルのプラントでのプレスにおいては先のダブル・リングという形状は1960年代後半から1970年代にかけ見られるもので、1950年代から1960年代後半にはディープ・グルーブ(深く幅のある溝)と呼ばれる特徴的なレーベルの形状も確認されているとのことである。しかしそういった特徴的な形状以外で、この73mmの円形のように他のタイプもいくつか確認されている。
フロント・スリックタイプの「Renaissance minstrels Vol.1 &2」がリリースされる前にホワイト・カバーにステッカーを張り付けたタイプの「Reedy River」と「Homogenized Beatles」が制作されたが、これらのレーベルはどちらもホワイトレーベルで73mmの円形ステップ形状のものだった。「Homogenized Beatles」はマスター・テープ編集時にちょっとしたミスがあったようで音質の悪い仕上がりになってしまった。そのため新たにマスター・テープを作りマトリックスが「RR-1001-A RE / RR-1001-B」のスタンパーでプレスされ、レーベルはグリーン地のものとなった、この時点ではまだ73mmの円形形状である。次のプレスではレーベルの形状はダブル・リングに変わった。フロント・スリックタイプ仕様の「Renaissance Minstrels Vol.1」と「Vol.2」はどちらもダブル・リングレーベルである。しかしステッカータイプのHomogenaized Beatlesは最初のプレス(マトリックス:Side-1/2-A/B)がホワイトレーベルで73㎜円形の形状、次にマトリックス(RR-1001-A RE / RR-1001-B)で、グリーン地、レーベルが73mm円形の形状のものとダブル・リングの形状が確認されている。
Get Back To Torontoの特徴
・Rainboでラッカー盤を制作した
・ほとんどのプレスがワデルで行われた
・カバー制作はLRS内部の人物が手掛けた
・数々のコピー盤も作られが、Fakeレーベルを作ったのはCBMのみ
・レアな黒スタンプのみによるカバー盤があり、CBMはそのFake(ブート・オブ・ブート)盤を制作した