ビートルズ・ブートレッグ55年目の真実

Stories 6  (ストーリーズ 6)   

How did "CBM" get its start? (CBMはいかにして誕生したか?)

Stories 6-15                           セクション 15    Absolute Proof Part.2      (確たる証拠 その2)

 

 このセクションではセクション13の「確たる証拠 その1」に続き、CBMが少なくとも1971年から活動していた確定的な証拠となるものを提示する。

 今回公表するのは、1971年10月22日に発行の「Vieux Carré Courier」という新聞紙に掲載された広告である。「Vieux Carré Courier」は1961年から1978年にかけて ニューオーリンズで発行されていたオルタナティブ系週刊紙で、週一回の発行であった。下の写真の左側は10月22日の表紙となったページである。そして右側は、別ページに掲載されたあるショップの広告(赤矢印)なのだが、その中にはCBMのブートレッグが掲載されていることが分かる。

 次に下の写真をご覧いただきたい。下の写真は、上の写真右の広告部分を拡大したものである。

 まず赤の番号①は日付が「1971年10月22日」であることがわかる、次に②はその決定的な証拠となる広告である。前回とは違い写真が掲載されている。(写真が掲載されているブートレッグ広告は当時としては稀)そしてその4枚のアルバムは明らかにCBMによるものである。この広告を掲載したのは「BRAVE NEW WORLD」というショップ。(住所の部分には画像処理を施した)このショップがどのような商品を取り扱っていたかというと、今度は③を見ていただきたい。③は別の日に掲載されていた同ショップの広告である。やはり前回同様、主に衣類、小物、そしてレコードやテープといったものを取り扱う店であることがわかる。なぜか当時のアメリカではブートレッグは衣料品と共にで扱われることが多かった。

では、この広告掲載されたブートレッグをピック・アップしてみよう、CBMの4タイトルは以下の通り。

Grateful Dead – "Recorded Live In Concert" 

Rod Stewart – "PLYNTH"

GEORGE HARRISON, BOB DYLAN, LEON RUSSELL, RINGO STARR / MADISON SQUARE GARDEN AUGUST 1, 1971

James Taylor - "IN DISNEYLAND"

最初のGrateful Dead のタイトルはこのウェブ・サイトでは初登場のタイトルなので整理番号CBM-⑦で以下にリストした。

Rod StewartのタイトルはCBM-③の番号で以前、livedoor-Blogにカラー盤をリストしたのだが、リイシュー盤を含め説明を追加し再度以下にリストした。

George HarrisonとJames Taylorのタイトルは、セクション13にてリストしたので、そちらの方を参照していただきたいが、これら2タイトルは前回紹介の広告にも掲載されたタイトルなので大変興味深い、これよって考えられる考察をまとめた。

 

CBM-⑦ Grateful Dead – "Recorded Live In Concert" マトリックス:CBM-1 A/B

 ブートレッグ・ファンでこのタイトルを知らない人はいないであろう。初期のブートレッグの中ではCSN&Yの「Wooden Nickel」と並んでこれほど多くのブートレッグ・レーベルからコピー盤が作られたものはない。収録内容は1970年10月4日の(ジャニス・ジョプリンが亡くなった日)ウィンターランドでのライブで、当時、サンフランシスコのFM局による放送が音源となっている。オリジナルとなったブートレッグは単純に西海岸でプレスされたものであろう。(私が聞いた中ではマトリックス「MEL Side 1/2」のものが最も音質が良かった)このCBM盤はモノラルでコピー収録されており、音質もよくない。一方で、西海岸でプレスされた複数のブートレッグはステレオ収録だった。しかし、西海岸でプレスされたどのブートレッグから、CBMがコピーしたのかまでは推察できない。なぜならあまりにも多くのレーベルから出ているからである。確認できているCBM盤の仕様は以下の写真と黄色文字で書いた説明を参照願いたい。

 このタイトルの特徴は、CBMのレーベルの中でも珍しい部類に入る、初期の「SHALOM」レーベルであることだ。少なくとも私は、イエロー・レーベルにレッドでプリントされている「SHALOM」レーベルは、このタイトルと、「Jimi Hendrix / Rainbow Bridge (RI 3213)」でしか見たことがない。

 そして、下写真の下段のリイシューの仕様も、イエロー・レーベルにレッドでの印刷であることと、マトリックスに関してはどのプレスにも違いが無いということがあげられる。

↓写真下 CBM-⑦ Grateful Dead – "Recorded Live In Concert":上段及び中段はレッド、もしくはブルーで印刷されたスリック・タイプのカバーにイエロー地のディスク・レーベルにレッドでプリントされており、レーベル名は「SHALOM」である。

↑写真:また下段のリイシュー・プレスでは同じイエローのレーベルに大きくレッドでA/Bと、小さく「CONTRA -BAND MUSIC」とプリントされているタイプ。またその他、ホワイト・レーベルにグリーンでラインが入っているタイプも確認されている。どちらもカバーは、写真下の上段及び中段のスリックが使用されている。しかし、マトリックスは「SHALOM」レーベル・タイプと違いが無い。


CBM-③ Rod Stewart – "PLYNTH" マトリックス:CBM-3A  SIDE 1  / CBM-B3  SIDE 2

このタイトルは一度、livedoor-Blogにカラー盤をリストしたのだが(CBM-③ Rod Stewert / PLYNTH )、収録内容についてなど詳細は書いていなかったので、ここでは詳細及び追加としてリイシュー盤もリストする。

 内容は1970年10月30日にサンタモニカで行われたライブである。同内容収録盤をTMOQがリリースしているが、前述のGrateful Dead 同様に、西海岸で行われたライブなので、CBM盤がオリジナルである可能性は低い、おそらくTMOQ盤よりコピーされたと思われる。このタイトルにおいてもCBM‐⑥同様、リイシュー盤はイエロー・レーベルにレッドで印刷されていること、そしてマトリックスにも違いはない。

↓写真下 CBM-③ Rod Stewart – "PLYNTH" :上段はこちら→(CBM-③ Rod Stewert / PLYNTH)と同じカラー盤でプレスされたもの。ディスク・レーベルはよくCBM盤で見かけるタイプのオレンジのレーベルにA/Bのサイド表示とレコード・マークがプリントされたタイプ。

↑写真:下段は上記「CBM-⑦ Grateful Dead – "Recorded Live In Concert"」の下段にある写真と同じイエローに大きくレッドでA/B、小さく「CONTRA -BAND MUSIC」とプリントされているタイプである。このケースにおいても、どちらも同じスリックが使用され、マトリックスにも違いはない。


さて、これら上記2タイトルがこの広告に掲載されたということはどのようなことが考えられるだろうか?

 まず、マトリックスに注目していただきたい、CBM‐⑦は「CBM-1 A/B」であり、CBM-③は「CBM-3A SIDE 1 / CBM-B3 SIDE 2」である。ここで思い起こされるのは「Don’t Pass Me By」のマトリックス「CBM2A2 / CBM-2B / CBM2-C1 / CBM2-D1」である。単純にこれらは連番になっていて、ほぼ同時期に制作されたものと考えられるだろう。

 となると、この事実だけでも「Don't Pass Me By」が極めて高い可能性で1971年中にプレスされていたと言えるのではないだろうか。

 次に、George HarrisonのタイトルMADISON SQUARE GARDEN AUGUST 1, 1971(詳細→Bang09/10・Bang11)について考えるてみたい、セクション13 「確たる証拠 その1」で紹介した2番目の記事の日付は9月3日、コンサートがあった日は8月1日であったことから考えると、セクション13の広告に掲載されたものはファースト・プレス盤で間違いないであろう。

 ではこの記事(10月22日)に掲載されたものはどうであろうか? セクション13の広告の内容とリストを参照していただきながら考えていただきたいのだが、この10月22日の広告にはスリックの写真が掲載されている。9月3日の広告においてもこのスリック盤と同じものを書いていたとしたらあのようなタイトルの書き方になったろうか?そういったことを考えると、9月3日の広告に書かれたものはファースト・プレス盤はBang09で、今回の10月22日の広告に掲載されたものはBang10 もしくはBang11と考えるのが自然ではなかろうか。

←写真:セクション13で紹介した2番目の広告にあったタイトルの書き方。この広告を書いた人物が、今回と同じスリック盤を見ていたとしたらこのように書いていたろうか?やはりBang09のスタンプされたタイトルを見てそのまま書いたと判断する方が自然ではなかろうか。

  もしも、上記の通りの見方が正しければ(9月3日の広告はBang09、今回の10月22日の広告はBang10 もしくはBang11)約1か月程度の間でリイシューと言ってもよい、仕様の異なる同タイトルが出回ったことになる。

注)セクション13では、9月3日にの広告に掲載されたものが必ずしもBang09ではなく、Bang02の可能性もあり得ると書いた。確かにBang02であっても9月3日の広告のような書き方となる。しかし、10月22日に別の場所の広告にCBM盤の同タイトルが掲載され、8月19日の同ショップ広告にもCBM盤が4枚掲載されているということは、9月3日の広告だけCBM以外のブートレッグが掲載されたということになり、可能性としては極めて低い。また仮にそうだとしても、少なくとも10月22日にはBang10 もしくはBang11が出回っていたということになるのでこれら推測には大きな影響を与えないと言えるだろう。

   そして、James Taylor - IN DISNEYLANDではさらに明らかな事実がある。セクション13でリストしたCBM-⑥を参照していただきたい。このマテリアルを収録したCBM盤は、大まかに2つの仕様でしか存在していない。Carole Kingとの3枚組であるものと、James Taylorのみの2枚組でタイトルが「IN DISNEYLAND」のものである。そして「IN DISNEYLAND」のタイトルではマトリックスの「RI」がスクラッチド・アウトされていることから、明らかにリプレス盤なのである。今回の広告に掲載されたものは写真より明らかに後者であると判断できる。

 ということは、(RI 3274のCBM-⑤が少なくとも5月以降なので)およそ数か月から遅くとも半年後にはリプレス盤が販売されていたと言えるのである。


 今回のセクションで提示した事実と、セクション13ので明らかになったことを合わせて考えると、少なくとも1971年の時点でCBMのブートレッグは相当数プレスされていたと言っても過言ではは無い。

 また、セクション13の「確たる証拠 その1」で紹介した広告はCBMの拠点であったバージニア州であった。つまり地元で制作したブートレッグを地元で売っていたということになる。しかし今回の広告記事はニューオリンズであることから、端的にCBMはこの間においてマーケットを広げてきているのである。

 そして、セクション13の8月19日と9月3日の広告、つづいて今回の10月22日の広告から、いくつかのタイトルはわりと短いスパンで再プレスされたものだということが分かった。

 となると、次のようなことも考えられる。この広告に掲載されたCBM-⑦ Grateful Dead – "Recorded Live In Concert"及びCBM-③ Rod Stewart – "PLYNTH"はもしかすると既にリイシューだったのではという推測も生まれてくる。


 

ではこのセクションの最後に、この事実からわかり得たことと、まだ残る疑問についてまとめてみたい。

・ CBMは1971年の時点で相当数のブートレッグを既にプレスしていた

・ CBM‐③と⑦のプレスがなされていたという事実から、「Don't Pass Me By」も1971年中にプレスされていた可能性は  

  極めて高い


残る疑問

・ もしも「Don't Pass Me By」が販売されていたとしたならば、なぜ広告に載っていないのか?「BEATLES」はいわ

  ば、人気ブランド商品であったはずである。

・ 広告掲載されたCBM‐③と⑦のプレスは、ファースト・プレスであったのか、それとも既に再プレス盤であったのか?


次のセクションでは「Don't Pass Me By」の「RI 3316」というナンバーから、1971年のどの時期にプレスされたかということをさらに細かく絞っていく。



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